はじめに
長年の仕事を終えた後、多くの人が「これからの人生をどう過ごすか」を真剣に考え始めます。中には、海外でのんびりとした老後を過ごすことに憧れる人も少なくありません。その中で人気の移住先のひとつが「タイ」です。
温暖な気候、穏やかな人々、美味しい食文化、そして比較的低い生活費。これらの魅力に惹かれて、退職後の新しい生活をタイで始めようとする人が増えています。
では実際に、退職後にタイへ移住することは本当に現実的なのでしょうか?
この記事では、タイ移住のメリット・注意点・現実的な課題・必要な準備などを幅広く解説します。
なぜタイは退職後の移住先として人気なのか?
1. 物価が安い
タイの生活費は、欧米や日本などの先進国に比べて非常にリーズナブルです。
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屋台料理やローカルレストランは1食200円〜500円程度
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地方では家賃が1万円台から可能
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マッサージや交通機関などのサービスも格安
2. 医療水準が高く、費用は手頃
タイの大都市(バンコク・チェンマイ・プーケットなど)には、外国人対応の私立病院が多数あります。
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清潔で近代的な設備
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英語対応が可能な医師が多い
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医療費は欧米の1/3〜1/5程度
3. 人々が親切で温かい
タイ人は基本的に親しみやすく、年配者を敬う文化が根付いています。外国人にも寛容で、穏やかな生活を送りやすいです。
4. 一年中温暖な気候
寒さが厳しい地域で関節痛などに悩まされていた方には、タイの温暖な気候は過ごしやすく魅力的です。
リタイアメントビザ:合法的に滞在するには?
タイに長期滞在するには、「リタイアメントビザ(Non-Immigrant O または OA)」 を取得する必要があります。
主なビザの種類:
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Non-Immigrant O(50歳以上向け)
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Non-Immigrant OA(長期滞在型)
主な取得条件(変更される可能性あり):
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年齢50歳以上
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タイの銀行に80万バーツ以上の預金、または月65,000バーツ以上の収入証明
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健康保険加入(OAビザは必須)
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犯罪歴なし
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90日ごとの居住報告、1年ごとのビザ更新が必要
住む場所を選ぶポイント
◎ バンコク
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都会的で何でもそろう
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医療機関が充実
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家賃はやや高め
◎ チェンマイ
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気候が比較的涼しく、自然豊か
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欧米人に人気
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ローカル文化も味わえる
◎ ホアヒン(Hua Hin)
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海辺のリゾート地で落ち着いた雰囲気
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高齢者向けの施設も多い
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バンコクから車で2〜3時間
◎ プーケット / サムイ島
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海が好きな人におすすめ
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医療やインフラが充実
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観光客が多くやや賑やか
◎ 地方都市(ナコンラチャシーマ、ウドンタニー、コンケーンなど)
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ローカル文化が豊かで物価も安い
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穏やかで静かな生活に向いている
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医療施設も最低限は整備されている
月々の生活費:実際いくらかかる?
| 項目 | 月額費用(目安・バーツ) |
|---|---|
| 家賃(1LDK〜2LDK) | 8,000〜20,000 |
| 食費・日用品 | 7,000〜12,000 |
| 光熱費・インターネット | 2,000〜3,000 |
| 健康保険(私費) | 3,000〜5,000 |
| 移動・趣味・交際費 | 2,000〜5,000 |
| 合計 | 22,000〜45,000バーツ(約9万〜18万円) |
生活水準によって変わりますが、月5万バーツ(約20万円)前後を見込んでおくと安心です。
医療と健康:高齢者でも安心か?
◎ 病院・クリニック
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バンコク病院、バムルンラード病院、サミティヴェート病院など、外国人専用窓口あり
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検診、手術、入院、在宅ケアまで対応可能
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小都市でも国立病院や民間クリニックあり
◎ 保険加入は必須
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OAビザは公的に保険加入が義務化
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タイ国内保険または国際医療保険でカバー可能
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慢性病や入院費用を含むプランを選ぶと安心
注意点・課題もある
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言葉の壁
→ 英語は都市部では通じやすいが、地方では難しい
→ 簡単なタイ語を学んでおくと便利 -
行政手続き
→ ビザ更新、90日レポート、税金、保険など煩雑
→ 通訳やエージェントのサポートがあると安心 -
文化の違い
→ 時間感覚、サービス対応、静けさへの認識が異なる
→ 寛容な心で受け入れる姿勢が必要 -
交通・移動
→ 地方では車がないと不便
→ 渋滞や交通マナーの違いにも注意
実際に移住した外国人の声
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ジョンさん(オーストラリア):
「チェンマイに10年以上住んでいて、自分の畑で野菜を育てながら穏やかに暮らしています。病院の医療も信頼できて、この土地が第二の故郷になりました」 -
イングリッドさん(ドイツ):
「夫とホアヒンに住んでいます。朝は海辺を散歩し、地元の人たちと交流しながら健康的な毎日を送っています。ここに来て心がとても穏やかになりました」
タイ人高齢者の「Uターン移住」も増えている
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長年日本や欧米で働いたタイ人が定年後に帰国
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故郷に家を建て、農業・家庭菜園・ボランティアに従事
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オンラインで英語や日本語を教える活動も増加中
結論:タイ移住は「夢」ではなく「選択肢」になりつつある
しっかりと準備し、現地の文化や制度を理解した上で行動すれば、タイでの生活は十分に実現可能です。
温暖な気候、美味しい食事、安定した医療、親しみやすい人々…
タイは、退職後の新たな人生をスタートさせるにふさわしい場所のひとつといえるでしょう。

