60歳を過ぎると、健康はますます重要になります。タイも日本も高齢者人口が増え続けており、医療制度は高齢者の生活の質を守る上で重要な役割を果たしています。本記事では、タイと日本の医療制度を比較しながら、高齢者が知っておくべきポイントや、それぞれの制度をうまく活用するための知識をご紹介します。
医療制度の基本構造
タイ
タイには「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)制度」、いわゆる「ゴールドカード」があり、国民の多くがカバーされています。その他にも、公務員向けの福祉制度や社会保険制度があります。
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ゴールドカード制度:高齢者は指定の病院で無料で診察・治療を受けられます。
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公務員向けの医療福祉制度:私立病院での治療費の払い戻しが可能など、より手厚いサポートがあります。
日本
日本では全国民が公的医療保険制度に加入しており、「国民健康保険」または「被用者保険(会社員など)」に分かれています。
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自己負担割合:高齢者は所得に応じて医療費の10〜30%を自己負担します。
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介護保険制度:日常生活に支援が必要な高齢者のための制度で、訪問介護やデイサービスなどを受けることができます。
病院と医療人材の体制
タイ
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公立病院は多いが、専門医や医療人材が不足している地域もあります。
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私立病院はサービスが充実しているが、保険適用外の場合は高額です。
日本
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高齢者専門の診療科(老年内科など)やクリニックが多数存在。
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高齢者ケアに特化した看護師、理学療法士、介護職員などの人材が整備されています。
予防医療と健康診断
タイ
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年齢に応じた健康診断が公立病院で無料提供されています。
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しかし、定期的に受診する高齢者の割合は日本よりも少ない傾向です。
日本
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毎年「定期健康診断」を受ける習慣が根づいています。
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大腸がんや乳がんなどのがん検診も定期的に実施されています。
緩和ケアと終末期医療
タイ
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一部の公立病院で終末期医療が提供されているが、まだ発展途上です。
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高齢者のメンタルヘルス専門職は少ない状況です。
日本
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緩和ケア病棟や在宅医療などが充実しています。
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長期入院ではなく「在宅ケア」の支援体制が整っています。
高齢者の医療制度への理解
タイ
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ゴールドカードの内容や制度の活用方法を知らない高齢者も多いです。
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予防や健康意識の啓発がまだ十分とはいえません。
日本
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高齢者の多くが自分の医療制度や介護制度について理解しています。
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地域包括支援センターや市区町村の相談窓口で医療・福祉の情報を得られます。
タイが日本から学べる点
日本の事例から得られるヒント
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定期的な健康診断の普及
毎年の健診により、病気を早期発見しやすくなります。 -
高齢者ケア人材の育成
日本では介護職員に国家資格があり、質の高いケアが提供されています。 -
包括的な支援体制
医療だけでなく、精神的・社会的なケアや地域活動の促進も重要視されています。 -
在宅医療の充実
病院に行きにくい高齢者も、家で医療を受けられる環境があります。
タイが今後取り組むべき方向
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長期介護支援制度の整備
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地域ボランティア制度の導入・活用
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地方自治体に高齢者医療センターを設置
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デジタル技術で医療情報にアクセスしやすくする
タイの高齢者へのアドバイス
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自身の保険制度や医療の権利について学びましょう
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年に一度は健康診断を受けましょう
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小さな体調の変化も見逃さないようにしましょう
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運動と社会参加で心身の健康を保ちましょう
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家族に高齢者がいる方は、日本のケア制度を参考に生活に取り入れましょう
まとめ
タイと日本、それぞれの医療制度には特徴があります。日本は高齢者への包括的な支援体制が整っており、タイは今その方向へと進もうとしています。
もしタイが日本のように、定期健診の普及、高齢者ケアの専門職の育成、在宅医療の整備などを取り入れていければ、タイの高齢者の生活の質もさらに向上するでしょう。

